137セシウムと除染
東日本大震災にともなう原子力発電所の事故により、環境中に大量の放射性物質が放出されてしまいました。その中でも137セシウムは半減期が約30年と長く、長期にわたる被ばくを避けるためにも取り除いて回収することが求められます。除染作業を効率化するためには、137セシウムの存在する場所を特定することが求められます。
このような目的で宇宙ガンマ線観測用の検出器を応用した半導体コンプトンカメラが製品化されたりもしました。エネルギー分解能に優れるため137セシウム由来の662 keVガンマ線だけでなく、その他の各種の同定能力も高い一方、検出効率がそれほど高くないためデータの集積に時間がかかるデメリットがあります。また大変高価なため、広く普及するものでもありません。
またセシウムは環境中で移動すること、側溝などに集積することがあるのが知られています。一度測って終わりではなく、いつでも何度でも短時間に測定できることが必要です。