広角指向型環境ガンマ線検出器

137セシウムと除染

東日本大震災にともなう原子力発電所の事故により、環境中に大量の放射性物質が放出されてしまいました。その中でも137セシウムは半減期が約30年と長く、長期にわたる被ばくを避けるためにも取り除いて回収することが求められます。除染作業を効率化するためには、137セシウムの存在する場所を特定することが求められます。

このような目的で宇宙ガンマ線観測用の検出器を応用した半導体コンプトンカメラが製品化されたりもしました。エネルギー分解能に優れるため137セシウム由来の662 keVガンマ線だけでなく、その他の各種の同定能力も高い一方、検出効率がそれほど高くないためデータの集積に時間がかかるデメリットがあります。また大変高価なため、広く普及するものでもありません。

またセシウムは環境中で移動すること、側溝などに集積することがあるのが知られています。一度測って終わりではなく、いつでも何度でも短時間に測定できることが必要です。

低コストでガンマ線源の方向がわかる検出器

手作りシステム

研究業績

  • 長期信頼性を有する方向弁別可能なコンパクト放射線測定器の開発
    JST 受託研究 A-STEP 復興促進プログラム(マッチング促進) 2013年10月 – 2015年3月
  • 次世代光増幅素子の飛躍的な性能向上と革新的撮像型サーベイメータへの応用
    日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B) 2012年4月 – 2014年3月
  • 検出器分離型サーベイメータの開発
    JST 受託研究 復興促進プログラムマッチング促進(可能性試験) 2012年10月 – 2013年3月

 

  • K. Kojima et al., Proc. of IEEE-NSS (Strasbourg), pp1-3, 2016  doi: 10.1109/NSSMIC.2016.8069923 
  • K. Kojima, IEEE 2016 Trainee Grant
  • K. Kojima, IEEE 2016 Valentin T. Jordanov Radiation Instrumentation Travel Grants