ガンマ線バースト
宇宙最大の爆発現象とも呼ばれるガンマ線バースト(GRB)は、宇宙論的な遠方で起こる突発現象です。平均的には1日に1回程度、特定の方向から非常に明るいガンマ線の突発的な放射が観測され、数秒から100秒程度かけて暗くなっていきます。継続時間の長いタイプのGRBは、宇宙初期に発生した大質量星の超新星爆発に付随する相対論的ジェットを正面から見えているものがその正体だと考えられています。
宇宙最大の爆発現象とも呼ばれるガンマ線バースト(GRB)は、宇宙論的な遠方で起こる突発現象です。平均的には1日に1回程度、特定の方向から非常に明るいガンマ線の突発的な放射が観測され、数秒から100秒程度かけて暗くなっていきます。継続時間の長いタイプのGRBは、宇宙初期に発生した大質量星の超新星爆発に付随する相対論的ジェットを正面から見えているものがその正体だと考えられています。
即時放射(prompt emission)と呼ばれる初動の電磁放射は何が担っているのかがわかっていません。熱的駆動の光球モデルやジェットの衝撃波に由来する揃った磁場でのシンクロトロン放射、そして散逸したジェットによるランダムな磁場が作るシンクロトロン放射などのシナリオが提案されています。
これらのモデルは硬X線の偏光度に違いが出ます。GRBには個性があるため、数多くのGRBの偏光度を測定し、その分布を得ることでモデルの区別ができます。GRBの統一的理解のためには、偏光検出器と多数観測する感度と衛星が必要となります。
郡司研究室主導のGRBを主なターゲットにした硬X線偏光計プロジェクトに参画しました。
格子状にプラスチックシンチレータを並べ散乱体とし、その周囲を無機シンチレータを吸収体として構成した検出器の設計・開発しました。正方形のユニットを基本単位として、ミッション規模に応じて拡張ができるデザインです。
コンプトン散乱においてガンマ線の散乱方位角は、偏光方向に垂直な方向に散乱しやすいことがKlein-Nishinaの式で与えられています。シンチレータをピクセル化することで散乱方向を求めることができ、多数の光子の散乱方向を積算することで、散乱方位角の偏りが見えてきます。その偏り具合が偏光度に対応し、偏光方向も同時に求めることができます。